ケーキ屋さんのショーケースに、いろいろなモンブランが並ぶ季節になりました。黄色いもの、茶色いもの、「和栗」と書かれたもの。どれを選べがいいのか、迷ったことはありませんか。
- 黄色と茶色のモンブランの違いが気になる
- 和栗のモンブランが何かを知りたい
- マロンペーストとマロンクリームの違いがあいまい
- 自分の好みに合うモンブランを選びたい

「和栗」て書いてあると、なんだか特別に見えるね。

味も甘さも色も、けっこう違うんだよ。
私はモンブランが大好きで、和栗のモンブランも、マロンペーストのモンブランも食べてきました。サバトンのマロンペーストを使って、自分でモンブランを作ったこともあります。
この記事では、モンブランの主な種類、和栗とマロンペーストの違いをお伝えします。次にケーキ屋さんで迷ったとき、選ぶヒントになればうれしいです。
モンブランの主な種類
ひとくちにモンブランといっても、見た目も味もお店によってさまざまです。なかでも分かりやすいのが、クリームの色の違いでしょう。黄色、濃い茶色、そして栗の身に近い色。この色の違いには、使われている材料や作り方が関係しています。タルトや焼きモンブランのように形の違うものもありますが、ここではクリームの材料に注目して、よく見かけるモンブランを3つに分けて見ていきましょう。
昔ながらの黄色いモンブラン
日本のモンブランは、1933年に東京・自由ヶ丘の洋菓子店「MONT-BLANC」で生まれたといわれています。このときクリームに使われたのが、日本人になじみのある栗の甘露煮でした。
栗の甘露煮から作ったので、クリームが黄色くなったそうです。
アンジェリーナが日本に来た1980年代も、モンブランといえばこの黄色いタイプが主流でした。
茶色いマロンペーストのモンブラン

濃い茶色のモンブランに使われているのは、マロンペーストです。ヨーロッパのモンブランは、マロングラッセから作ったペーストを使うものだといわれています。
1984年、パリの「アンジェリーナ」が日本に初上陸しました。黄色いモンブランが当たり前だった当時、深い茶色のモンブランはとても新鮮に映ったものです。
アンジェリーナのモンブランは、こちらの記事でくわしく紹介しています。

和栗のモンブラン
3つめは、日本の栗「和栗」を使ったモンブランです。最近は、ショーケース「和栗」の文字を見かける機会が増えました。
私がこれまで食べてきた和栗のモンブランは、やさしい薄茶色をしていました。味はというと、「栗です!」と言いたくなるほど栗そのもの。
同じ栗のケーキでも、マロンペーストのモンブランとは印象がかなり違います。
和栗とマロンペーストの違い
和栗のモンブランも、マロンペーストのモンブランも、どちらも栗のケーキです。それなのに、食べてみると印象はずいぶん違います。違いが出るのは、おもに「原料と作り方」「味と甘さ」「色」の3つ。ここでは、調べて分かったことと、私が実際に食べて感じたことを分けてお伝えします。最後に表でまとめているので、急いでいる方はそちらだけでも見てみてください。
原料と作り方の違い
まず知っておきたいのは、2つは「同じ種類のもの」ではないということです。
和栗は栗の種類の名前、マロンペーストは栗を加工した材料の名前です。
和栗とは、日本の栗のこと。ヨーロッパの栗とは種類が違い、渋皮がむきにくいという特徴があります。
一方のマロンペーストは、お菓子作りに使う材料です。たとえばフランスのサバトンのマロンペーストは、裏ごしした栗とマロングラッセに砂糖やバニラを加え、煮詰めて作られています。
味と甘さの違い
ここからは、私がこれまで食べてきた中での感想です。
和栗のモンブランは、栗そのものを食べているような気がしました。甘くないわけではありません。それでも、マロンペーストのモンブランとくらべると、甘さはひかえめに感じます。
マロンペーストのモンブランは、しっかり甘いのが特徴です。食べると、自分でモンブランを作ったときのサバトンのマロンペーストを思い出します。ちなみにサバトンのマロンペーストは糖度60度と紹介されていました。
色の違い
色の違いは、見た目ですぐに分かるポイントです。
私が食べた和栗のモンブランは、栗の実を潰したような薄茶色でした。マロンペーストのモンブランは、渋皮栗のような濃い茶色です。サバトンのマロンペーストも、濃い茶色と紹介されています。
ただし、和栗のモンブランの色味はお店によってさまざまです。茶色っぽい和栗のモンブランもあるかもしれません。
| 和栗のモンブラン | マロンペーストのモンブラン | |
|---|---|---|
| 味 | 栗そのものの味 | 甘い栗のお菓子の味 |
| 甘さ | やさしい(ペーストより控えめ) | しっかり甘い |
| 色 | 薄茶色 | 濃い茶色 |
| 食感 | お店の作り方しだい | お店の作り方しだい |
食感はお店の作り方しだい
和栗は固め、マロンペーストはねっとり。私も、食べながらそんなふうに感じたことがあります。けれど、自分でモンブランを作ったことを思い出すと、食感は材料だけできまるものではありません。左右するのは、お店がクリームをどう仕上げるかです。ここでは、作ったことがあるからこそ伝えたい、食感の話をします。
マロンペーストはそのまま絞らない
マロンペーストは、しっかりと固めの材料です。そのままでは、モンブランのように細く絞るのはむずかしいでしょう。
そこで、生クリームなどを合わせて、絞りやすい固さに整えてから使います。私がサバトンのマロンペーストで作ったのは、もう10年以上前のこと。なんとなくですが、この「固さを整える」ひと手間は覚えています。
何をどれくらい合わせるかで、仕上がりの固さや口溶けが変わるのです。
マロンペースト・マロンクリーム・マロンピューレの違い
名前が似ていてまぎらわしいのですが、サバトンには3つのマロン製品があります。
- マロンペースト:しっかり固め、糖度60度、濃い茶色
- マロンクリーム:ペーストより水分が多く、やわらかい、色は淡め
- マロンピューレ:栗だけを裏ごししたもの、甘みなし
「マロンクリーム」も、じつは商品の名前なのです。この記事では、生クリームを合わせて絞れるようにしたものを「モンブランのクリーム」と呼んで、区別しています。
甘みのないマロンピューレは、ほかの製品と合わせて甘さを調整するのに使えるそうです。
和栗も作り方で食感が変わる
和栗のモンブランも、考え方は変わりません。同じ和栗を使っていても、合わせるクリームや仕上げ方で、食感は変わるはずです。
私が食べた和栗のモンブランは固めに感じました。ただ、それが和栗だからなのかは、言い切れません。
食感は材料よりもお店の作り方しだい。
だからこそ、いろいろなお店で食べくらべる楽しみがあります。
好みで選ぶモンブラン
ここまで、モンブランの種類と、和栗のマロンペーストの違いを見てきました。では、実際にお店で選ぶときは、どう考えればいいのでしょうか。私のおすすめは、その日に食べたい味や甘さで選ぶことです。正解はないので、あくまで参考として呼んでみてください。ここでは、好みのタイプ別に、向いていそうなモンブランを紹介します。
栗の味を楽しみたい人は和栗
栗そのものの味をじっくり楽しみたい方には、和栗のモンブランが向いていると思います。甘さがやさしいので、甘すぎるケーキが少し苦手な方にも選びやすいでしょう。秋らしく、栗を食べた気分になりたい日にもぴったりです。
しっかり甘いのが好きな人はマロンペースト
濃い甘さが好きな方には、マロンペーストのモンブランをおすすめします。がんばった日のごほうびに、しっかり甘いケーキを食べたくなるときもありますよね。コーヒーや紅茶と一緒に、ゆっくり味わうのもいいと思います。
定番の味が好きな人は黄色いモンブラン
なじみのある定番モンブランが好きな方には、黄色いモンブランはいかがでしょうか。今でもケーキ屋さんでよく見かけますし、コージーコーナーにもいつも並んでいます。季節を問わず買いやすいのも、うれしいところです。コージーコーナーのモンブラン3種類を、実際に食べ比べた記事もあります。

モンブランの種類のよくある質問
最後に、モンブランの種類について気になりそうなことをまとめました。調べて分かったことと、私の体験を分けて答えています。
黄色いモンブランは日本だけ
黄色いモンブランは、日本で生まれた形といわれています。ヨーロッパでは、マロングラッセから作る茶色いペーストが使われているそうです。
マロンペーストとマロンクリームの違い
サバトンの商品では、マロンペーストのほうが固く、マロンクリームのほうが水分が多くてやわらかいです。どちらも糖度は60度と紹介されています。モンブランのように絞って形を作るには、マロンペーストが向いているとされています。
和栗と洋栗の違い
和栗は日本の栗、洋栗はフランスやイタリアなどヨーロッパの栗のことです。2つは種類が違い、和栗は渋皮がむきにくく、洋栗はむきやすいといわれています。
マロンペーストは洋栗だけではない
マロンペーストは、栗を裏ごしして砂糖を加えた材料の名前です。栗の産地や種類を表す言葉ではありません。
サバトンのようなヨーロッパのメーカーのものもあれば、国産の栗を使ったペーストもあります。茶色いモンブランがすべて洋栗とはかぎらないので、気になるときは商品の説明を見てみてください。
家でモンブランを作るなら何を使う
私が作ったときは、サバトンのマロンペーストを使いました。マロンペーストはモンブランづくりに向いているとされ、製菓材料のお店や通販で買えます。甘さをおさえたいときは、甘みのないマロンピューレを合わせる方法もあるそうです。
モンブランという名前の意味
モンブランは、フランスとイタリアの国境にある山の名前です。フランス語で「白い山」という意味があります。日本で最初にモンブランを作った「MONT-BLANC」の創業者も、この山に感動して店名にしたといわれています。
まとめ
モンブランの種類と、和栗とマロンペーストの違いをお伝えしてきました。
- よく見かけるモンブランは、黄色・濃い茶色・和栗の3つ
- 黄色いモンブランは、1933年に栗の甘露煮から生まれた
- 和栗の栗の種類、マロンペーストは栗を加工した材料
- 和栗は甘さひかえめで栗そのもの、マロンペーストはしっかり甘い
- 食感は、材料よりもお店の作り方しだい
モンブランは、同じ名前でもお店ごとに個性があるケーキです。違いを知ってから食べると、いつものモンブランか少し特別に感じられると思います。
濃い茶色のモンブランが気になった方は、アンジェリーナのモンブランの記事も読んでみてください。

次にケーキ屋さんに行ったら、「今日はどのモンブランにしよう」と、ぜひ選ぶ時間も楽しんでくださいね。


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